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報告レポート(120回)


2008年 3月 17日 (月) 15:00〜18:00 
■オフィストレンドセミナー
   講師:今里明朗氏(TOTO株式会社)
   会場:INAX銀座ショウルーム(東京都中央区京橋)
   時間:15:15〜16:45


今回は、メンテ研幹事でもある今里様に最近のオフィストイレのトレンドについ
て、現場写真やアンケート結果を交えて解説して頂きました。


1、はじめに
 オフィスワーカーが、職場環境で重要視する項目の6番目に上げている『トイ
レ環境』について、大きく{新築}{改修}に分けて、それぞれの施工実例と器
具・設備のトレンドを紹介します。


2、{新築}オフィストイレの事例紹介
@東京ミッドタウン
 建物全体としては自然(緑)を多く残したイメージ。トイレルームの特徴は、細
長いレイアウトで、出入口が両端2ヶ所に設けられ、利用者の出入りをスムー
ズにしている。水栓金具等は建物のデザインに合せた特注品が使用されてい
る。また、男・女・多目的と場所が少し離れている為、利用者が迷わぬ様にトイ
レサインも充実している。
 大便器ブースパネル(仕切り壁)は、天井まで伸ばしてあり、防犯、臭いや音
を気にする方への配慮を行うとともに、ブース内に荷物置きとフィッティングボー
ドが付いている。

A 新丸の内ビルディング
 トイレ内部は、照明配置が良く、明るいイメージ。小便器の洗浄スイッチには
マイクロ波のセンサー内蔵タイプが採用されていて、すっきりとしている。
(ここで受講者よりセンサー内蔵式の洗浄方法や故障時の対応の質問。⇒洗
浄方法は、小便器内スプレッダ近辺に2秒間の手かざしにて可能(後日回
答))
 パウダーコーナーには大きい一枚鏡が設置されている。鏡の仕切り部分をス
リガラスにする事により 豪華さと使用者個々への配慮が感じられる。(通常、
鏡が大きいほうが豪華とされているが、その分、横からの他人の目が気になる
との声がある。)

B大日本印刷DNP五反田
 白を基調として トイレサインが北欧をイメージさせるデザイン。窓が付いてい
て開放感があるトイレ。小便器内部にハエのプリントがあり、そこを狙うと跳ね
防止になる工夫あり。女性トイレにはフィッティングボードあり。
壁が白で大便器ブースのパネルはダーク木目、パネルは天井迄伸びている。

【新築設備のまとめ (2004年〜2007年)】
・東京駅周辺が多かった。
・調査した現場数27の内 77%がビル・テナントであった。
・大便器ブースの広さは、奥行き1500 幅900がもっとも多く、過去に比べ広い
作りになっている。現在ではそれを超えるモノが多くなってきている。
・小便器、洗面器とも設置間隔は概ね800o。
・和式便器の設置は0%、洋式便器100%である。すべて温水洗浄便座付きで
ある。
・水を流すスイッチは、タッチ式60% センサー式33%と、操作が簡単で接触が
少ないモノが多い。
・紙巻き器は横型2連式で、棚板上に小物を置けるものが多い。
・女性トイレには、洗浄擬音装置の設置率も高い。(最近は、温水洗浄便座と
一体式のものもある。
・手摺の設置率も上がっているが、一部の便器のみに留まっている。
・フィッティングボードの設置52%。
・小便器は低リップタイプ(リップ位置が床から高さ350o以下)が81%
・ジアテクト(機能水を出して尿石を付きにくくする設備)導入率は93%
・手洗い用の水栓金具は全自動式が86%。中には水石鹸の集中供給、吐出
まで自動化したモノもある。
・ハンドドライヤー設置率は89%
・歯磨き器設置も増えている。
・ユニバーサルデザイン配慮として、多目的トイレの設置も多い。


3、{改修}トイレリニューアル最前線
調査数 39現場、リモデルレポートvVol.6〜9より。
エリアは東京41%、福岡22% 大阪12%…。で、建物の階数は9〜10階建て
の中規模ビルが多い。築年数は、16〜20年(バブル期)と36〜40年の古い建
物が多い。
改修後の特徴として、
・ブースの立ち上げが天井迄のところが増えている。
・床素材は、タイル(湿式清掃)から長尺塩ビシート・塩ビ床シート(乾式清掃)
への採用が増えている。
・壁材はタイルから不燃メラミン材・化粧パネルへの採用が増えている。
・男女トイレの壁などの色分けが無く、統一デザインが多い(同色85%)。
・壁色は白、パネル色は木目調というデザインが多い。
・和式便器から洋式便器に交換する事が多く、改修後の洋式便器の採用は和
洋混在分も含めると100%。(うち和洋混在は18%)。また、20代から40代女性
の72%が、洋式便器の方が使い易いとのこと。また、洋式変更と同時に、ウォ
シュレット導入も多い。
・手洗い用の水栓金具は、自動水栓が95%、シングルレバー5%。
・オフィスで歯磨きをする方も多く、歯磨き器の設置も増えている。

(この説明の後、具体的な施工事例画像が10物件程展示されました。)


4、質問コーナー
  Q1.壁色が白、ブース色が木目が多いが、メーカーが勧めているのか?
 A1.勧めているわけではないが、流行がそうなっている。

  Q2.改修工事で快適にする為には、より多くのスペースが必要となる場合が
多いが、どうするのか?
A.2数は減らせないので工夫して切り詰めるしかない。

Q3.タイルはあまり勧めないのか?
A3.今回は状況(流行)報告であって、タイルを勧めない訳ではない。

Q4.メンテナンスに対する配慮は?
A4.小便器の形状を工夫し、袋状になっているフチをなくした、といった事例もあ
る。また凹凸を無くし、雑巾1枚 片手で拭ける形状に近づけている。また壁付
大便器も増えている。


5、感想
 床材が長尺塩ビシート、壁が白、パネルが天井迄で木目調と言う流行が、こ
んなに浸透しているのか!と、改めて再認識できました。ただ、このスタイルが
トイレ環境に対してベストの回答なのかは、今後のメンテナンスを行う側や利用
者の意見を待たなければならないと思います。
また、水栓金具の自動化が利用者の快適性だけでなく、節水・省エネにも貢
献している事に気付き感心しました。

 今回、講師をして頂いた今里様が3月を持って定年を迎えられ、TOTOを退職
されます。メンテ研幹事として長年のご尽力と、今回の様な貴重なデータを発
表して下さいました事に深く感謝すると共に、今後のご活躍をお祈り致します。
(議事録:翫`武 塚越俊介)


講師の今里明朗さん
今回で定年退職です。



様々なデータを使って
説明して下さいました。



会場では最近のトレンドに
目が釘付け。



最近は壁が白色で、
木目のトイレブースが
増えているそうです。



最後にメンテ研から退職の
お祝いの花束を贈呈。
代表の坂本菜子先生と。



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