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報告レポート(第110回)

これからは、若手会員が交代で定例会の様子をレポートします。

2006年12月19日(月) 
見学会…15:00~16:00 オアシス@akiba
研究会…16:10〜17:30 千代田区秋葉原和泉橋出張所

■「都内初の有料公衆トイレ『オアシス@akiba』の
  取り組みとこれからの公共トイレの有り方について」
   講師:スピーカー:千代田区道路公園課課長 土本 惠介氏
         〃     設計 加藤章博氏
         〃     維持管理 峰岸啓介氏
       (株)セントラルビルメンテナンス 小山玲奈氏


■1.計画と完成までの経緯
 有料トイレについて議論を始めたきっかけは、区内の公衆トイレに対する
メンテナンス費が増大していることに起因(年間5000万円の維持費が掛
っていた)しておりました。
 そこで、平成15年にトイレ協会などと実態調査を行い、その結果を受け
て「公衆トイレのあり方協議会答申」で下記の三つを柱にして答申しまし
た。
  @区内公衆トイレの適正配置(6箇所廃止、1箇所新設)
   …区内30箇所のトイレの適正配置を調査した結果、秋葉原と
   有楽町で不足していることが分かった。
  A有料トイレのありかた
    …「ほんとうにお金を徴収してよいのか?」について、付加価値  
  をつけて特徴づけることで有料の意味づけを行う 
   ○情報コーナー(パソコン、タッチパネル、スタッフによる案内)
   ○喫煙コーナー(JTが設置費と維持費を負担)
   ○複合化
  Bメンテナンスとリフレッシュ方法・・・常駐メンテナンスを心がける
   (ア)H16年度基本計画 H17年度実施設計 H17〜18年度工事   
 10月16日オープン
   (イ)ポイントとしてイニシャルコストを下げるために協賛企業を募り  
  建材や設備の提供をお願いした(10社で実現)
   (ウ)関係法令の調整が難しかった。特に喫煙コーナーを併設する  
  ことがネックになった。千代田区では全国に先駆けて路上禁煙    
を実施しているために「付加機能」として不可欠であると考え、     
「公衆トイレの一部」として建築申請を行った。

2.公共トイレおよび有料トイレの今後のあり方
 公共トイレの今後のあり方ですが、キーワードは「安全・安心・快適」だと
思われます。具体的には1、今後は指定管理者制度など民間の力を借り
て運営してゆくことも大いに考えるべきである。自治体が公共トイレを管理
する時代ではなくなっている。2、法的にクリアできれば、壁面広告などに
よる広告収入を得ることも考えられる。3、ユニバーサルデザインについて
もっと検討されるべき 4、「公共トイレ内障害者用施設設置基準」国がマ
ニュアル化して今後、この基準に基づき公共および、公共的、大規模商業
施設等のトイレは整備していくことになる。・・・このように思われます。
次に、有料トイレの有り方ですが、オアシス@yurakutyou?を計画、オアシ
ス@akibaを検証し、さらに進化した形で取り組みたいと考えています。

3、利用状況
 オープン後2ヶ月間で12500人が利用されました。具体的には、男性9
200人(約73%)、女性3100人(約30%)、子どもと障害者200人(約
2%)という具合で、男性の利用が非常に多いと言えます。1日平均は20
0人で、平日平均110人/日でサラリーマンが多く(オフィスビルで完全に
禁煙にしているところが多いからか?)、土日平均220人/日で秋葉系の
男性が多いです。男性は小便だけでも利用しています。10月の平均は2
60人/日、12月は少し減って落ち着いています。
 支払い方法ですが、現金100円(約70%)とSUICA(約30%)の利用を
しています。時間帯の利用は7:30-9:00 の利用が一番多く、サラリーマ
ンが主。ついで12:30-14:00が多く、昼食後のタバコの一服からトイレを
利用するのではないかと予想されます。その次が20:00-21:00で 会社
帰り、飲んだ帰りと思われます。ちなみに、情報コーナー(パソコン利用)
は午後からの利用が多いです。
 有料であることについては、80%が肯定的な意見、20%は「高い」「税
金の無駄」など否定的な意見があります。利用のきっかけは50%が「テレ
ビやインターネットで知って」、50%は「通りがかりに知った」でした。マナ
ーについてはトイレとペーパーなど持ち去り、床を汚すなどわずかしかあり
ません。これは常駐スタッフがいることの効果であると考えられるでしょ
う。修繕費などはかなり抑えられると思います。また常駐スタッフは安心
感を与えることができます。
 喫煙コーナーの利用人数については調査中ですが、5〜10人が常時利
用している様子で、タバコを吸いながらパソコンによる作業をする人などが
います。

■4.その他の計画諸条件
 有料トイレとしての機能以外に、震災対策用の携帯トイレの備蓄や、環
境配慮の節水・省エネ対策を検討しています。

■5.トイレの愛称について
 公募した結果、350件(220人)より応募があり景品はノートパソコン)、オ
アシス@akibaが採用されました。これには「まちのオアシス」、「情報発信
のまち」のイメージがあると思われます。

■6.維持管理について
 維持管理費は年間で約2000万円(喫煙コーナー含む)です。常駐のメン
テのほかに月に1〜2回定期清掃を実施しております。メンテナンスワーカ
ーのためのマニュアルは準備しているが、「自分が汚いと思ったところを掃
除しなさい」と指導しています。
そして、スタッフが向上心を持って働けるように工夫しており、きびきび動
いくことを心がけています。また道案内のためにアキバ情報散策ツアー研究
なども実施しました。

■7.今後の課題
今後は、以下の3つに取り組むべきだと考えています。
 1、サイン表示・・トイレと分かりにくいため検討が必要です。
 2、子供用トイレ・・・親子で入ると窮屈なので、検討したいと
             思っています。
 3、今後、新しいオフィスの進出で女性が増えそうなので、
   気配りをしたいと思います。
以上(議事録:村上八千世)
  

  「オアシス@akiba」外観


見学会の様子


研究会では熱心な議論が


入場口脇にあるパソコン


女性トイレ入り口
コインを投入(SUICAをかざす)
で自動扉が開く


トイレ内部は快適で便利



男子トイレもスタイリッシュ



若いスタッフがこまめに清掃



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