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報告レポート(第91回)

これからは、若手会員が交代で定例会の様子をレポートします。

2004年9月13日(月)15:00〜18:00 
(於 京橋のINAX銀座ショールーム内会議室)
  15:00〜16:30 定例会講座
 
 
 テーマ: 行政・民間・市民、三位一体の
       トイレメンテナンスが次の時代を作る 
  
 講師 : 坂本菜子
(当会代表・坂本菜子コンフォートスタイリング研究所所長)
  

●最近、公共トイレ作りに市民団体が積極的に関わり、維持管理をNPOが
請け負う機会を目にするようになった。今までは行政や民間清掃企業に任
せっきりだったトイレの世界に新たな動きが芽生えつつある。
 そこで今回は市民が維持管理に積極的に参加している公共トイレの事例
を参考に、行政・民間・市民の位置づけや(そしてメンテナンス研究会のよう
な専門家団体も含めて)、あり方について考えるきっかけにしたい。

●まず、千葉県松戸市の一里塚トイレだが、河川敷における国内でも初の
本格的水洗トイレを作った際に、地域住民が設計段階から積極的に参加。ト
イレは河川敷のイベント時に使いやすいように設計をしたり、犬の散歩など
の日常シーンで快適に使用されるようにしたり、多機能トイレ(車椅子使用
者などが入れる広いトイレ)に浮浪者が住み込まないように目立つ位置にし
たため、地域に受け入れられた。
 ただし、トイレ掃除のボランティアについての意識アンケートを行った結果、
大人は消極的だったのに対し、子供からは「やってみたい!」という反応が
多く、子供たちのたくましさを感じた。

●次の事例は、埼玉県八潮市のフラワーパークの事例である。ここでは花
を楽しむエリアを作った際に公衆トイレの必要性を感じて作った。竣工時に
はしだれ桜の植樹をする美化ボランティアが。しかもトイレ掃除はCUT
(CleanUpToilet)という会が結成されて行われている。CUTとは地元の高校
ボート部やロータリークラブなど16団体(約113名)が加盟し、持ち回りで掃
除をしたり、地元企業がトイレットペーパーを提供したりしている。
 まさしくトイレ清掃ボランティアが地域への眼差しであり、地域を誇る市民
意識だ。
 
●こうして公衆トイレをめぐって企業/市民ボランティアが参加してくると、新
しい関係性(右図)が見えてくるだろう。まず設置/維持管理主体者である
行政(地方自治体)。地方行政の協力パートナーとして、かつまたボランティ
アの牽引役としての任を果たして欲しい(地元)民間企業。さらには美化奉
仕活動の実践者であり、同時に日頃の見守り役や改善提言にも重要な役
割を期待したい市民ボランティア。
 こうした行政・企業・市民による三位一体の連携が、最終的には利用者マ
ナーの啓発をもたらし、利用者一人ひとりに節度ある利用を促すのです。引
いては「私もボランティア参加を・・・」という市民意識の醸成のきっかけにな
るやもしれません。・・・

●このあと、これらを受けて、今後どのようにメンテナンス研究会が進むべき
か、を参加会員で自由かつ活発な議論を行いました。
 代表的な意見としては「せっかく一生懸命掃除しているのに、正しい技術
を知らずにやると逆に素材を痛めかねない。メンテ研として必要なノウハウを
提供できる関係を築けるようにすることはできないだろうか・・・」「ボランティ
ア精神は素晴らしいが、継続が大切」等。
  


松戸市のトイレでは市民がパトロール
をしてくれています。

トイレ掃除意識調査では、子供たちの
66%が「やってみたい・興味がある」
と答えました(クリックで拡大)。

八潮市では積極的なボランティアによ
り常にトイレがキレイです。

関係図(クリックで拡大します)

会員でのディスカッションでは、メンテ
研のあり方や今後の課題が発言され
ました。
  
 16:30〜17:00 連絡事項 

●「HOSPEX・JAPAN 2004年」にメンテ研が出展します(11月17日〜19
日)。そこで出展参加企業を募集しました。また17日と18日にはメンテ研の
セミナーが予定されています。その表現の場をおおいに利用しようと呼びか
けられました。(昨年の様子はこちら

●メンテナンス研究会の行った「全国公衆トイレ管理者意識調査」の結果を
まとめて書いたデータを「もう公衆便所とは呼ばせない」という本としてオー
ム社より出版することになりました。そこで会員企業に企業/製品情報のご
提供(有料)を呼びかけました。

 


昨年のHOSPEXは会員でスペースを
共有して展示し、大好評でした。


新しいショールームは、ガラスを効果
的に使ったデザイン。光が差し込み開
放感あふれる空間でお風呂やトイレ
に入るのが楽しくなりそうです。
  
 17:00〜18:00 ショールーム見学

●企業会員でもある(株)INAXが、銀座ショールームを改装したので、見学
しました。新しいコンセプトは「SWEET ROOM」。今までホテルのような特別
の場所でしか経験できなかった明るくて素敵な水周り空間を、誰もが気軽に
取り入れられるユニット商品ができたそうです。誰でも見学できます。贅沢な
気分が味わえますよ。ぜひ一度ご覧下さい。

 ○参加した感想
「たかがトイレ掃除」と誰もが軽視しがちですが、やってみるとその技術も志
も奥が深く、いまだ究極のノウハウが確立されてなくて、びっくりします。でも
それが市民レベルで盛り上がったなら、きっと広がりが出てくるでしょう。「さ
れどトイレ掃除」にしたいですね。
  【報告者:白倉正子(個人会員)】



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アンケート結果
行政/企業/市民の関係図